◆22番議員(越智妙子) 〔登壇〕(拍手)
 ただいまより、決議案第1号「保育所民営化に伴う市職員に対する職務強要事件等の調査に関する決議の件」について、提案者16名、内藤耕一、田中裕子、谷沢千賀子、大松桂右、田中久夫、西川訓史、柏木順子、村松広昭、吉村晴之、永井貴美子、杉本春夫、浦宗二、垣内博美、小枝洋二、高田寛治、越智妙子を代表いたしまして、賛成の立場から討論を行います。
 8月20日、八尾市人権協会副会長、人権安中地域協議会理事長、部落解放同盟安中支部相談役という肩書を持つ丸尾勇容疑者が、八尾市発注の公共事業をめぐる恐喝容疑で逮捕されて以来、約2カ月が経過しました。この間、新聞・テレビなどマスコミを通してさまざまな疑惑が報道されています。
 八尾市は、職員や一部業者からのアンケート調査等による聞き取り、丸尾容疑者に委嘱した市同和問題協議委員など、7つの公的委員の解任、部落解放同盟安中支部の事務所の退去、第三者機関による同和関係団体への委託事業の是正を行っているとされていますが、今、この時期に、このようなことだけでは、真相究明にならないことは明瞭です。
 市民の行政に対する疑問や不信な点を徹底調査し、市民に公表することが、まさに議会の果たすべき使命ではないでしょうか。
 今回の決議案は、その立場から、議会に100条調査特別委員会の設置を求めています。
 言うまでもなく、100条調査委員会は、地方自治法第100条で定められている委員会であり、証人の出頭や記録の提出、また証人の証言に偽りがあれば、偽証罪に問われるという強力な調査委員会であります。
 以下、100条調査委員会が調査する6項目について、具体的に述べさせていただきます。
 第1項目の「安中東保育所民営化に伴う市職員に対する職務強要に関する事項」については、10月3日、各新聞社が一斉に「職務強要罪で丸尾被告を追起訴」と報道しています。「市立保育所をめぐり、自分の関与する社会福祉法人を運営事業者に選ぶよう、市職員をおどした」という記事ですが、具体的な事象が起きたのは平成17年度。なぜこの間、6カ月以上も議会にも報告しなかったのか。また、新聞報道にあるように、「丸尾容疑者が市長や助役と面談した2月11日以降、急に抗議行動がとまった」のはなぜか。また、新聞は、「府警は威圧的に市側に要求を続けた丸尾容疑者と市の間に、何らかの取引があった可能性もあると見て追及する」と報道しています。これについても解明が求められます。
 第2項目の「八尾市発注の公共工事に対する地域協力金に関する事項」では、ア、竜華配水場築造工事について、8月23日付の新聞では、「丸尾容疑者側への協力金、鹿島6,500万円払う」と報道されています。また、鹿島は「工事妨害を避けるため、やむを得なかった」と説明しているとのことですが、協力金の仕組みについて、徹底的な解明が必要です。
 イ、障害者総合福祉センター建設工事については、9月27日の朝刊に、「八尾市工事2,600万円提供認める。共同企業体の浅沼組、市に回答」と報道されました。「提供額は、落札額の約3%」、「同社は約3年前の市の調査に対して、支払いを否定していた」という記事ですが、これについては9月23日付新聞は、このようにも報道しています。「八尾市発注工事、入札1年前に対策費、丸尾容疑者中心に談合か」と題し、「地元対策費などの要求に応じた業者が確実に落札するという、形を変えた談合ができ上がっていた」と、これらについての解明も当然のことながら必要であります。
 ウ、八尾市立病院建てかえ工事については、大林組は否認しているものの、民事訴訟の原告陳述では、「八尾市の市立病院建設工事に伴う協力金として、大林組から8,200万円支払われています」と述べており、これについても解明の必要があります。
 エ、市営安中住宅7号館改善工事については、丸尾勇容疑者逮捕に結びついた恐喝事件で、逮捕翌日の読売新聞はこう報道しました。「丸尾容疑者は地元の顔役として、八尾市に強い発言力があった。以前から安中地区での公共工事の受注業者の受注額の3%程度の上納を強要していたとの疑惑が浮上している」と。「この八尾市に強い発言力」とは、具体的に何なのか。受注業者とは、どの段階から接触しているのか。また、電気工事についても、丸尾容疑者の恐喝があったとして、再々逮捕されました。これらについて、徹底調査が必要なことは当然です。
 第3項目、「障害者総合福祉センターの指定管理者決定に関する事項」についてですが、社会福祉法人虹のかけはしが、指定管理者に決定されるに当たって、新聞はこう報道しています。「丸尾容疑者が評議員を務める法人は、一昨年6月に開館した市立障害者総合福祉センターの指定管理者に選ばれたが、その際にも丸尾容疑者が市に強く働きかけたとされ、府警は、一連の丸尾容疑者らの活動に強要や脅迫に当たるような行為がなかったか、詳しく調べる」と。議会でも、「疑義がある」と厳しく追及してきたものです。この事件についても、どうであったのか、私たち議会は徹底的に解明し、市民の前に明らかにする義務があります。
 第4項目の「事業系ごみ収集運搬事業許可制度にかかる職務強要に関する事項」については、強要がいつごろ、どのような手口で行われたのか。部落解放同盟安中支部交渉との関係はどうであったのか、調査が必要です。
 第5項目の「社会福祉法人虹のかけはしとNPO法人八尾市人権安中地域協議会への業務委託に関する事項」については、八尾市の第三者機関からの中間報告が発表され、同和関係団体に委託している事業45事業のうち、8事業を廃止すると言われていますが、45事業中、43事業が随意契約であることから、この契約についても一つ一つ調査する必要があると考えます。
 第6項目の「丸尾容疑者と八尾市のかかわりに関する事項」についてですが、「八尾市幹部88人丸尾詣で」と報道され、八尾市と丸尾容疑者の関係の一端が明らかになってきました。さらに、「安中東保育所民営化に伴う市職員に対する職務強要に関する事項」のところでも述べましたが、「丸尾容疑者はことし2月初旬、市役所で柴谷市長や助役ら幹部と面会したが、抗議行動はこのころからおさまった」という新聞報道でした。また、「府警は、丸尾容疑者と市の間に何らかの取引があった可能性もあると見て追及する」という報道です。
 これらは、市の幹部がかかわっている可能性があるということを示唆しているのではないでしょうか。もし、これが事実なら、市の幹部の重大な責任は免れません。このことについても、徹底的に追及することが求められます。行政をチェックし、過ちがあれば、それを直ちにただすことが議会のなすべき重要な仕事、責務です。証人の出頭や記録の提出、偽証罪の成立などの強力な調査権を持つ100条委員会の設置こそ、これらの解明の最大の力となるものです。
 この100条調査権を放棄することは、議会の自殺行為であり、同時に徹底解明を願う市民を裏切ることではないでしょうか。
 今、この時期に設置しないことになれば、市民から、「何のための議会か」、「議会は行政の監視をなぜしないのか」と厳しい批判やそしりを浴びることは必至です。さらに、八尾市議会の歴史を汚し、後世に汚点を残すことにもなります。今こそ、100条調査委員会を設置し、議会として徹底的に真相解明すべきです。
 同僚議員の皆さんの御賛同を心よりお願い申し上げ、賛成討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)